アーティストファイル

2015.11.9

先日、国立新美術館へ足を運びました。
ちょうど「アーティストファイル」展をやっていました。
2008年から続く企画展で、
いまもっとも新鮮で充実した活動を行っている現代美術家たちの作品を紹介している展示だそうです。
以前足を運んだときも開催されているのを見たことがあり、
今回は運よく2回目の「アーティストファイル」展となりました。

 

 

今回の展示は「隣の部屋――日本と韓国の作家たち」というタイトルで、
日本と韓国の作家によって構成された展示でした。

 

そのなかで興味をもったのが、イ・ウォノさんの展示でした。
空間の中に、ダンボールでできた一つの大きな小屋とたくさんの売買契約書が並んでいました。

 

 

このダンボールハウスは、路上で生活をする方たちから、イ・ウォノさんがひとつひとつ交渉し、
買い取ったダンボールから作られたものです。

 

売買契約書に書かれたダンボールの値段はさまざまで、
1㎡あたり0円から3000円、中には10万円と書かれたものもありました。
その契約を交わすときのやりとりが映像で流れていました。
「あなたの家(ダンボール)をいくらで譲ってくれますか?」
そうたずねられた人たちは困惑し、頭をかかえます。

 

 

もともとは、拾ってきた0円のダンボールですが、
自身の「家」となったダンボールは自分にとってどんな価値があるのか。
おもしろい問いかけを題材にした作品でした。

 

私たちが作っている家も生活を送っていく中で、
壁や床の色がなじみ、傷がつき、たくさんの思い出ができた、その家の価値はどう変化していくのでしょうか。
5年後、10年後、その価値が何倍にもなるといいなと思います。

 

このほかにもたくさんのおもしろい視点で表現された展示がたくさんありました。
現代美術家たちの作品をまた見に行こうと思います。

 

by shirahata