癒される空間

2021.8.20

先日打合せしたお客さまから、
「癒されるお家」にしたいとご希望をいただきました。
コロナ禍で暮らしの中での癒しが
重要視されているような気がします。
 
みなさんの癒される空間とは、どのような空間ですか?
 
私は、数年前に訪れた奥多摩町の
「登計トレイル」という
林内遊歩道を思い出しました。
 
この遊歩道は、歩くことよりも
休むことに主眼が置かれた
森林セラピー効果のある遊歩道です。
 
遊歩道にはウッドチップが敷いてあり、
踏む感触が柔らかく
長時間歩いていましたが
足への負担が少なく感じました。
また、杉や檜の匂いを感じました。

遊歩道を歩いていると
デッキや椅子が随所に配置されていました。
 

斜めの背板にもたれて腰をかけ、
雲の動き・空の移り変わりを感じました。
 

テーブルに肘をつき、
森林の中に飛び出したような感覚になりました。
 
ふらっと腰を掛けたり、寄りかかったり、
立ち止まったりして見える景色は、
随所で見える景色が異なり、そしてとても美しく、
心身ともに自然に同調することができました。

休憩所になる建築も点在しており、
建築内部から別の視点で森林を眺めることもできます。
 
立ち止まる場所 腰かける場所 匂いや感触… 
様々な視線で森林に身を置くことができる
とても癒される空間でした。
 
設計をするなかでも、
癒される空間を暮らしのシーンを
1コマ1コマ想像しながら考えます。
 
立ち止まる場所・移動するときに見える景色・
ふらっと腰をかけたくなるような場所…
規模は違いますが登計トレイルで感じた「癒し」を
家づくりの中で創造していきたいです。
 
Endo