五角形の家

2020.12.11

以前、五角形の家を設計しました。
 

 
普通、住宅設計を考えるときは
正方形や長方形が基本的な形になりますが、
はずして多角形の家を設計することもあります。
そのときも大切なことは、
奇をてらって形からはいるのではなく、
いつもと同じように周辺環境や与条件、
表現すべきものを丁寧に紐解くなかで、
浮かび上がってきた形が多角形であれば
素直に用います。
五角形を用いると矩形では得られにくい、
流れ、勢い、抜けた感じ。
また、見えない先への想像性、
包まれた安心感を表現しやすくなります。
 

 
この五角形の家は、田園地帯に隣接しており、
その季節の移り変わりを感じる眺めや香り、
風の抜けを家の中に取りこみます。
ただ、あまり真正面に向き合いすぎると、
生活の場所として、強すぎると感じたので、
すこし距離をとるために2階に主たる広間を設けて、
緩やかな鈍角を使って、
田園の環境を取り込みながら、
生活がしやすい居場所を確保できるように
設計しています。
 

 
田園風景は季節に応じて
とても豊かな顔をみせてくれます。
収穫前、あたり一面の黄金波が揺れる姿も好きですし、
水がはられた夕暮れ時の静けさも素敵です。
そんな生命観に富んだ風景と一緒に、
やさしい感動がある毎日を
送っていただけたらと願っています。
 
Hatakeyama