天井の高さに隠れた黄金比と白銀比

2020.11.20

黄金比をご存知でしょうか。
数字で表すと1:1.618…
と馴染みのない数比ですが、
自然界のあらゆるところに黄金比が見られ、
人間が最も美しいと感じる比率といわれています。
特に欧米では黄金比に関する研究が盛んで、
古代ギリシャ建築にも黄金比が見られます。
また絵画や建築はもちろん、
車やモニターディスプレイ、
写真や名刺のサイズなど
あらゆる場面に使用されています。
 
一方、日本古来の比率として
1:√2
という比率が多用されてきました。
こちらは黄金比に準えて、
白銀比と呼ばれています。
畳や風呂敷、大和絵など
昔から良く使われてきた数値です。

私たちが設計する上で、
よく天井の高さを一般的な高さより少し低めの
2.2m程度でご提案することがあります。
 

 
実はここにも黄金比や白銀比が隠れていて、
木造住宅では、構造や家具サイズなど
色々な要因から壁から壁までを
3.64m(12尺)や3.185m(10.5尺)といった
寸法で設計することが多いですが
天井高さを2.2mとするとそれぞれ、
黄金比と白銀比の近似値となるのです。
窓の配置や割り付け等を
こうした比率をもとに設定してみると
全体的に均整のとれた美しい空間として
整いやすくなっていきます。
 

 
美しさとは
人それぞれの価値基準がありますが、
こうした比率を参考にして考えてみることも
面白いのではないかと思います。
 
Suzuki