春障子

2019.3.22

“春障子”という言葉を教えてもらいました。
俳句の季語です。
障子はもともと、冬の寒い風は通さずに
太陽の光を取り入れるための道具だったことから、
冬を表す季語なのだそうですが、“春障子”は春の季語。
少しずつ力強くなる春の日ざしを受け、
冬のころより明るく光る障子のことを言うそうです。
 
先日、東南アジアの国を訪れる機会がありましたが、
たくさんの思い出とともに一番心に残ったことは、
30℃以上の高温多湿の中、
今が冬だと言われたことでした。
 
夏といわれる時期より5℃くらい涼しく
雨が少ないそうで、
現地の方にとっては、
季節の変化であることは間違いないのだと思いますが、
日本で生まれ育った私にとっては、夏しかないのだと
感じてしまいます。
 

 
そうなると、コートを着ることもないし、こたつに入ることもない。
衣替えも必要なければ、冷え症とも無縁。
楽なようで・・・
なんだか、たくさんの感情や思い出がなくなるような
感覚を覚えました。
 
日本に帰り、障子越しに感じる力強い春の陽を
うきうきと眺めるにつけ、
日本の風土と、日本人が持つ情緒と、
日本建築の深い深い結びつきを感じます。
どれが欠けても、私たちが心地よいと感じる時間は
ないのかもしれません。
 

 
和を大切にする家づくりのよさを、
再確認したできごとでした。
 
by Shimizu