内山邸

2017.10.2

最近、富山にある「内山邸」という有形文化財に訪れる機会がありました。

江戸時代にできた豪農屋敷となっており、昔の人の暮らしを見ることができます。

天井の高い座敷が田の字でつながり、それぞれが障子で仕切られています。

欄間には桐の透かし彫りがあり、細かいところまで装飾が施されていました。

その中でも一番目を惹かれたのは庭のつながり方・見え方です。

 

部屋と庭に繋がりを持たせるために縁側が設けられています。

縁側を覆うような深い庇、足元には踏み石があり、自然と庭の方へ足が進みます。

縁側に座って庭を眺めていると、風が吹き木々が揺れる音が聞こえ、心を穏やかにしてくれました。

縁側の他にもちょっとした囲いを設けた月見台があり、安心感に包まれながら月や庭を楽しむことができます。

 

 

室内にいるときでも庭の明るさの方が室内よりも強いため、庭の緑が室内にも入ってくるような感覚になります。

障子を開けることで庭とつながり、閉めることで柔らかい光が入り、様々な表情を楽しむことができます。

 

内山邸を見学して庭の持つ良さとその良さを引き立てるモノを再確認できました。

建物はその地の気候や風土など様々な条件で異なります。

違う地域の住宅や文化財を見学し、これからもいろんな庭とのつながり方を知れたらいいな、と思いました。

 

 

 

 

by yokoyama