豊かな暮らし

2017.2.6

豊かさとは何か考えたことはありますか。


 
先日見た、「人生フルーツ」という映画にそのヒントを見つけました。
東海地方では有名な高蔵寺ニュータウンを舞台にした、とある建築家夫婦の物語です。ニュータウンのマスタープランは当初、里山を残しながら人間が共生してゆく、緑に溢れた計画でしたが、経済成長期であった当時の日本はそれを許さず、たくさんの住人を確保する事が最優先で、緑や山の記憶は残らず、所狭しと宅地となりました。

 

 

このマスタープランを構想したのが建築家の津幡修一さんという方です。街が出来た後も、計画への無念な想いは拭えず、責任を感じられていました。そんな中、津幡さんはニュータウン内に敷地を購入し、奥様と共に自らがその地へ住む事で、緑豊かな里山を取り戻そうとしました。

 

そこでのご夫婦の暮らしは、敷地内につくったキッチンガーデンと呼ばれる畑で数十種類の野菜やフルーツをつくり、料理し、次世代のために土を肥やしてゆくという、何とも豊かで楽しそうな暮らしをされています。

 

映像の中で語られるご夫妻のお考えは心に響くものばかりで、成熟しきったこれからの社会のヒントが隠されているようでした。小さなシアターは連日満席のようでした。素晴らしい作品です。

 

家作りにおける豊かさとは何か・・・と考えるきっかけになればと思います。機会があれば是非見て下さい。

 

by yamada